薬医門

築年数は定かではありませんが、お話によると築後百年以上は経っていると思われます。
さらには、何処からかの移築であるようです。
この度は梁(うつばり)よりも下の冠木(かぶき)、虹梁(こうりょう)、柱、控え柱、貫の取り換えと、一間(いっけん)の両方に伸びる比翼(ひよく)【:門の脇にある築地塀(ついじべい)で、左右が対象になっているもの]の改修工事です。
正面から向かって左にはくぐり戸を新設することも承りました。
数年前に、屋根の瓦を葺き替えられたので、梁(うつばり)を仮設の桁で受け、持ち上げながらの改修です。
設計 施工 伏見建築事務所
材木納材 吉田製材株式会社

現況調査


構造材は全て地松(じまつ)【:国産の松】のようです。

柱は尺一(しゃくいち)【:一尺一寸】と五寸の小平(ごひら)【:断面が長方形】使いで、やにつぼがかさぶたの様になる地松独特の経年変化です。

冠木などの部材の断面寸法や、梁間や柱の長さ、全体の寸法の釣り合わせ方は、薬医門の様式をそのまま反映させた正当な結界です。

敷居のみが取り去られていますが、これは今の時代に合わせたものとして、この度は復元しないことにしました。

比翼の両端に乗っている鬼瓦と鳥衾(とりぶすま)は、燻し焼き直しを施し再利用します。