第7分科会「地域の建築力を高める」に参加をして

奈良支部 伏見康司

 

  地域の気候風土に適応した住宅を手掛ける設計者や施工者は、少なからず全国で活躍をしているのだと実感した。また、参加者の意識の高さに関心をした。このような機会がなければその存在を確認できなかったところだ。今のやり方で仕事を貫く不安が払拭され、刺激になった。参加をしてよかった。この分科会は今後も存続を希望して止まない。

 

    昔から受け継いだ技能を持ち合わせた地域の工務店や職人は、本質を持ちあわせていれば消滅はしない。むしろそれに従事している人材の、質が低下をすることの方が危険であると考えさせられた。気軽に取り組める商売や職業であれば、その質はそれほど高いものではないように思う。住宅が商品として扱われ、職人の技量を取り入れずに、その仕組みばかりを今の売れ筋にあわせている。それを求める人の価値観は変化をし、地域の中で求めている需要ではなくなったうえ、より広域に、様々な手段で手に入るものと同じ様に扱われてきている。技能や技術の修得は、そんなに簡単なものではなく、時間がかかるし、かけないといけない。その部分を省こうとする商売人が主導権を握っている。今一度、地域社会とうまくつながり、つり合うための知恵と工夫を議論したいところである。